「復元」(「再現」)に向けて

干瀬のまれびと

2019年10月11日 01:09

先週末、組踊上演300年のさまざまな企画の中でも、最も注目されたと言っても良い、300年前の組踊初演時の「復元公演」が行われました。
予想通り、大変注目され、また話題を呼んだようです。
見たかったなぁ。。。
伝え聞くところによれば、幕がないとか筝が使われないとか、現行の上演とはかなり異なった舞台だったようです。
でも、よくわからないことも多く、今回の上演を下敷きに、さらに研究が深められることへの期待が高められた、というところというのが、私の印象。

300年前、1719年といえば、ヨーロッパではJ,S,バッハがブランデンブルク協奏曲や無伴奏ヴァイオリンパルティータとソナタなどの名作を次々に作曲、初演していた時期です。この50年くらいの間に、バッハやヘンデルなどの作品を当時のまま演奏することが普通に行われるようになりました。
それが可能になったのは、さまざまな学術的な研究と多くの演奏家達による研究がなされたこと、また、それら研究が深められた背景に当時の楽器や楽譜、さまざまな資料が残されていたことが指摘できます。
その点、組踊研究も近年とても進展していると思いますが、まだまだバッハ研究と演奏のレベルには追いつけていません。
資料が少ないことがネックだと推察しますが、そこをなんとか乗り越えて、今回の公演を機に大きく進展することを期待したいと思います。

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